私はプロレスが好きです。とっても好きです。愛しています。
しかし、プロレス観戦自体は少なく、(もっぱらTVがほとんど)
あとは大きな会場での大会にしか行ったことがなかった私が突然、
地方大会のプロレス観戦に行き、感動と興奮に包まれたというお話。
私の職場は八王子です。そんな八王子にプロレスリング・ノアの
興行が2月26日にやってきます。
八王子にプロレスの興行が来ること自体はそんなに珍しいことでは
ありません。しかしこの興行は特別です。一昨年、腎臓ガンが発覚、
その後の手術が成功し、昨年12月に546日ぶりにリングに復帰
した、カリスマ的人気を誇る、小橋建太選手の復帰シリーズであり、
会場限定参戦の小橋選手が参戦する貴重な大会になっているのです!
また、20年前の2月26日に小橋選手はデビューしました。
この26日の試合は20周年記念特別試合でもあるのです。
「行くしかない!」そう思った私はチケットの手配を試みました。
…しかし、取れませんでした。悔しい気持ちはありましたが
それはそれとして、あきらめていました。周りの人たちにもそれは
特に伝えていませんでした。そして、その日がやってきました。
その日1日、プロレスの「プ」の字も出ずに、普通に仕事を終え、
帰り支度をしていると突然、弊社社長より、今日の京王プラザホテル
のプロレスの立ち見のチケットが残っているらしいとの情報が!
寝耳に水とはまさにこの事、さすが地元企業!どこからともなく
そんな情報が入ってくるのです。その場にいた数人で一気に盛り
上がり、早速私を含めた有志一同で観戦に行くこととなりました。
車を走らせること5分!(当たり前ですが近いです…)
近くの駐車場に車を止めていざ京王プラザホテル八王子へ
外に止めてあったノアのバスに興奮を隠せないまま試合会場へ
受付で一般立ち見4000円を支払い会場に入るとロビーでは
グッズやパンフレットを売っていました。
せっかくの記念だからとパンフレットを買おうと売り場へ行くと
なんとパンフレットを売っているのはマイティ井上さんでは
ないですか!現役時代にはNWAインタージュニアなど数々の
ベルトを腰に巻き、現在はノアの名物レフェリーとして活躍されて
いる人物です。私ともう一人のプロレス好き社員のSさんは
思わず感動!当然のごとくパンフレットを購入し、ついでに握手を
してもらいました。快く握手に応じていただいたマイティさんに
感謝です。Sさんにとってはマイティさんの現役時代がストライク
の世代だったようで、「ちっちゃい頃からファンでした」と声をかけ
握手をしてもらっていました。
その時です、マイティさんの奥に目をやるとなんと三沢社長が売り場
の椅子に座っているではありませんか!
このときに私の興奮はマックスに!心臓が破裂しそうになりました!
なぜなら、私が最も好きなレスラーが私の2mぐらい先に座っている
「三沢光晴」その人なのです。
私は彼の試合を見るために子供の頃は土曜の7時になるとテレビに
かじりつきタイガーマスクだった頃の彼に憧れ、大人になると東京
ドームや日本武道館に彼の試合を見に行き、彼が始めてシングルの
ベルトを腰に巻いたとき感動のあまり涙し、その時の試合を録画した
VHSビデオは今でも大切な宝物なのです。
そんな「思い」が交錯している中、三沢社長がスタッフの方に促され
席を立ち上がり私のほうへ向かってくるのです。
「えっ!?」一瞬何が起こったのかわかりませんでした。
後から思えば、ファンサービスの一環で売り場に座っていた社長が
試合の準備のために控え室に戻っていくだけだったのです。
でもそんなことはそのときの私には判別不能です。
何が起こっているのかわからず、自分に向かってくる憧れの人物に
瞳をキラキラさせながら、戸惑いとうれしさの入り混じった汚い笑顔で
とにかく声をかけてみようと思い、とっさには言葉が思い浮かばずに
それでも何かを伝えなければと思い、三沢社長に「○△※★!」
自分でも何を口走ったのかおぼえていません。
そんなテンション上がりまくりの一ファンのことなど全く気にせず
三沢社長は一目散に私の横を通り過ぎ控え室のある方へ歩いていった
のでした。
テンションの上がりきった私はその前後の記憶があまりありません。
そうこうしているうちに第1試合の開始が迫り、試合会場のほうへと
入っていきました。
会場は5階の大宴会場「翔王」。立食で700名入るそうです。
かなり大きい宴会場ですので、プロレスの会場としては最適です。
(公式発表ではその日の入場者数は超満員1300人でした)
会場に入ると、ど真ん中にエメラルドグリーンのマットが映えるリング、
天井からはシャンデリア、という異様な雰囲気の会場でした。
私は小さい会場での観戦が初めてだったので、立ち見でも充分に
リングサイドの興奮が味わえるという点にさらに興奮してしま
いました。
一緒に行ったSさんは地元が比較的よくプロレスの興行がくる土地に
生まれ育ち、自身もよくお小遣いを片手にプロレスを見に行っていた
ようですが、この規模の会場は初めてだと言っていました。
そしていよいよ第1試合の試合開始です。
第1試合はもう一人の20周年記念特別試合でした。
小橋選手の1ヶ月先輩、同期といっていいでしょう、菊地毅選手の
試合です。
菊地選手は小橋選手と同じ20年前の2月26日滋賀県栗東町民
体育館でデビューしました。そのときの相手が今日の相手でもある
百田光雄選手です。
心憎い演出です。こういうのがプロレスなんだとしみじみ思います。
ご存知の方も多いとは思いますが、百田選手といえば日本プロレス
界の礎「力道山」の御子息であり、プロレスリング・ノアの副社長
さんです。
御年59歳でまだまだ現役というのも素敵だと思います。
20年前のデビュー戦は「6時半の男」百田に挑んだ新人・菊地が
逆エビ固めを返せずにギブアップで敗北でしたが、その20年後、
この日の試合は回転エビ固めを返してのエビ固めでフォール勝ちを
おさめました。
それから、第2、第3試合、休憩を挟んで第4試合から第6試合を
楽しみ(各試合の事を書きたかったのですが、とてつもなく長くなり
そうなので泣く泣く割愛します…。)
立ち見なのでずっと立ちっぱなし(当たり前か…)だったのですが、
時間も疲れも忘れるほどに見入ってしまいました。
そして、とうとうメインイベントの第7試合が始まりました。
豪華メンバーの8人タッグマッチ、小橋、秋山、志賀、金丸組VS
三沢、小川、丸藤、ムシキング・テリー組の試合です。
まず、選手たちの入場です最初に入場してきたのは小橋選手の入場
テーマ「バーニング」にのせて小橋組の4人が入場してきました。
会場は小橋コールの大合唱。もちろん私たちも大合唱。
リングに小橋選手が上がると歓声は更に大きくなりました。
次に三沢選手の入場テーマ「スパルタンX」にのせて三沢組の4人が
入場してきました。今度は三沢コールの大合唱。
そして、8人がリングに揃うとその日一番の大歓声でした。
その後、大会スポンサーと子供たちからの花束贈呈で少し落ち着き
ました。
しかし、リングアナが各選手をコールし、色とりどりの紙テープが
宙を舞うと会場のボルテージは最高潮に!会場中に飛び交う「小橋」
コール。
そして最初に出てきたのはなんと小橋選手と三沢選手、もう倒れて
しまうかと思いました。そして、ゴングか鳴り響き試合開始。
試合はやはり復帰シリーズで20周年の小橋選手を中心に進んでいき
ます。
三沢選手がちょっとラフファイトをすると会場中からブーイングが、
三沢選手にブーイングを出させるのは恐らく小橋選手ぐらいでしょう。
小橋選手と三沢選手のぶつかり合いはやはり見ていてドキドキしま
した。
そして試合開始から30分を過ぎたあたりから試合が動き出します。
丸藤選手の必殺技、不知火を皮切りに各選手の必殺技合戦!
当然、この日一番の盛り上がりを見せて、最後は丸藤選手が志賀選手を
首固めに押さえ込みフィニッシュ!おなかいっぱいの38分04秒でした。
試合が終わり、選手が引き上げ小橋選手だけがリングに残り、そこへ
菊地選手がリングに上がり、20周年の2人がそろいました。
会場からは割れんばかりの拍手、そして「おめでとう」の掛け声。
もちろん私たちも大声で叫んでいました。
最後に小橋選手がマイクを手に取り挨拶。
「これからもプロレス道に邁進していきます!」と力強く語っていました。
そして、小橋選手と菊地選手はリングを降りていきました。
(あれ?菊地選手の挨拶は?というのはさておき…。)
それからなんと小橋選手は会場を1週練り歩き、会場はもちろん
パニック、うちの会社のOさんは怖いお兄さんに足を踏んだとから
まれたそうです。
小橋選手が去った後、興奮冷めやらぬ状態で会場を出るとロビー
には人だかり、何かと思えば菊地選手が握手会をやっているでは
ありませんか。
当然並びました。プロレス好きのSさんは「俺はいいや」と並びま
せんでした。そして、自分の番が来て「20周年おめでとうござ
います」と声をかけさせてもらい、握手をすると菊地選手は「あり
がとうございますこれからも応援よろしくお願いします」と仰って
くれました。
図々しいとは思いましたが、こんなこともあろうかと持ってきた
サインペンとパンフレットを取り出し、「サイン、よろしいで
しょうか」と言うと嫌な顔一つせず「いいですよ」と快くサインを
してくれました。
快くサインにして下さったた菊地選手に感謝です。
そして、菊地選手に別れを告げ、Sさんの元へ行くとSさんが
「永源さんに握手断られちゃった」と。
永源さんとは2年前に現役を引退し、現在ノアの常務取締役である
永源遥さんのことである。「なぜ?」と思い、どのように握手を
断られたかと聞いてみたら、少し離れた場所から声をかけたら、
申し訳なさそうに手を合わされたということだった。
なるほど、恐らくはすでに現役を引退したので、選手を差し置いて
表には出られないという事だったのだろう。
そんな話をしながら、ホテルの外に出るとノアのバスが停まっており、
バスから外国人が顔を出している。
第5試合に登場したクリス・ヒーロー選手だ。当然のごとく欲張って
サインをねだってしまいました。またもや快くサインに応じていた
だき、本当にノアのみなさんはファンサービスを大事にされている
なと感じました。
大好きなプロレスに触れ、素晴らしい思い出と久しぶりに大声を
だしたのどの痛みを残して夢の時間は終わったのでした。

